今回は、バイク盗難の現状のお話です。
「バイクは盗まれやすい。」なんて話は良く聞きますが、実際どのくらい盗まれているのか、本当に盗まれやすいのか?というのは分かりません。
また、どこで盗まれやすいのか、どんな人が盗んでいるのかというのも分かりません。
ということで、まず今回は盗難の発生件数やその場所、盗人の種類などを簡単にご紹介します。
バイク盗難の現状
バイクは車の約17倍盗まれやすい!?盗難件数やその割合、自動車との比較
警察庁の「平成26、27年の犯罪情勢」※1 によると、平成27年の盗難認知件数は35,486件。
そして、JAMAの「二輪車販売台数(国内末端販売店向け出荷台数)」※2によると平成27年の販売台数が372,696台。
つまり、販売されたバイクの内10台に1台近く(約10%)が盗難にあっているというのが現状です。
2015年3月末の保有台数は11,482,344台(JAMAの「2015年3月末現在の排気量別保有台数と構成比」※3より)なので、それと比べると、1000台に約3台(約0.3%)が盗難されているということになります。
この盗難の状況を調べると、盗難認知件数35486件のうち、
キーありの状態で盗まれたのは9418件(27%)、キーなしの状態で盗まれたのは26068件(73%)
です。意外とキー挿しっぱなしで盗まれている人が多いんですね。
ちなみに、車の盗難は2015年時点で13,821件※1。
2015年の新車販売台数が5,046,510台※4、保有台数は77,404,331台※5です。
つまり、保有台数はバイクよりも車の方が圧倒的に多いのに、盗難件数はバイクよりもクルマの方が圧倒的に少ない。
やっぱりバイクって盗まれやすいのか・・・?具体的に、以下の表にもろもろまとめました。
バイク | 自動車 | |
盗難件数 | 35,486 | 13,821 |
販売台数 | 372,696 | 5,046,510 |
盗難/販売(%) | 9.5% | 0.27% |
保有台数 | 11,482,344 | 77,404,331 |
盗難/保有(%) | 0.3% | 0.018% |
注目すべきは一番下の『盗難/保有(%)』ですね。
これから考えると、バイクは車の約17倍盗まれやすいことになりますwまじかよw
気になったのでバイクの排気量別に見てみると、
50cc以下の盗難数は24,217台で、千台あたり3.9台。
50ccより上は10,662台で千台あたり2.0台となっています。
ざっくりですが、50cc以下のものが、50ccより上のものより2倍ほど盗まれやすいと言えそうです。
盗難後、元通りバイクが戻ってくる可能性はほぼ0%?
平成27年のオートバイの盗難認知件数35,486件のうち、検挙件数は3,994件。
つまり、約1割ほどしか検挙されていません。※1
かりに検挙されたとしてもバイクには何かしらされている(傷つけられたり、パーツ取られたり・・・)でしょう。
ですので、バイクが盗まれてもとの状態のまま戻ってくるという可能性は限りなく0に近いってことですね。
盗む年代は圧倒的に若い世代が多い
平成25年のものですが、警察庁の「平成25年の犯罪情勢」※6によると、オートバイ盗の検挙人員のうち、少年(14歳以上20歳未満)の占める割合が94.3%だということです。
つまり、ある程度まともな防犯をしておけばたいていの窃盗は防げるということでもありますね。
普段利用することの多い場所が『盗む(盗まれやすい)場所』
JBR-Mさんのデータによると、「駐輪場や駐車場」が約50%、「一戸建て住宅や集合住宅」が約37%、「その他」が13%となっているようです。
普段利用するような場所が大半なので、普段からの盗難対策が大事だということですね。
バイクを盗むのはどんな奴?
下の盗人になればなるほど対策に手間とお金がかかってきます。
粋がった厨房
オラオラ系の厨房。盗んだバイクで走り出す。
メインキーの挿しっぱなしはもちろん、スタンドロックやハンドルロックのみだと力技で壊すことも。
ちょっとした工具でやっすいロックは壊していく。
珍走団
深夜に騒音を撒き散らす、いまどき本当に珍しくなった人たち。
厨房時代より更にパワーアップしているので、更なる力技でそこそこなロックも壊していく。
職工もどき
様々な工具・機械を装備して珍走団から更にパワーアップした人たち。
装備もそこそこあるので、まともなロックも壊していく。
逆に言うと、ある程度の装備さえあれば厨房や珍走団もこのレベルになります。
プロ窃盗団
専用の工具・機械を持って盗みを働くプロ集団。
高級なロックも破壊、アラームやイモビライザー等があっても関係無し。とにかく狙ったバイクは盗む。
実際に盗まれている参考動画
ちょっとしたワイヤー程度ならある道具を使えばこんな感じで簡単に切断できます。
家庭用のニッパーでも意外といけるもんです。
ハンドルロックをパイプを使った力技でぶっ壊している様子。
また、原付などのハンドルロックは人間の力だけで壊せるという話も。
最後に、『ボルトクリッパー』と呼ばれる道具で数々のチェーンロックを切断している様子。
ボルトクリッパーというのは↓こんなやつ↓です。
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自分も大学で1mクラスのボルトクリッパーを使ってたことあります。
その経験からすると、挟むことさえできれば、ある程度の強さの金属なら本当に簡単に切れちゃいます。
まとめ
- 1000台の内、車は約0.2台、バイクは約3台が盗まれる
- バイクは車の約17倍!圧倒的に盗まれやすい
- バイクの盗まれた台数の内、キーなしが約73%、キーありが約27%
- 1000台の内、50cc以下は3.9台、50ccより上は2.0台盗まれる。50cc以下のほうが2倍ほど盗まれやすい
- 盗難検挙率は11%で、バイクが無事に戻ってくる可能性はほぼ0
- 盗む年代は少年(14歳~20歳未満)が94.3%と圧倒的に多い
- 盗まれやすい場所は「駐輪場や駐車場(約50%)」、「一戸建て住宅や集合住宅(約37%)」など
- バイクを盗むのは厨房からプロまで様々。安物のロックでは厨房に対してもあまり効果はない。
バイク盗難に関する情報をまとめてみましたが、あまり明るい情報はないですね、仕方ないことですが・・・。
要するにバイクが盗まれる確率は、MAXタイプのパチンコ(1/399)を打って1発目で当たる確率と同じくらいってことですよね。
高いのか、低いのか・・・。「ありえなさそうで、意外とある」って感じ。
ですが、きちんとした盗難対策をすることで盗難確率はグーーーンと下げることもできるのも事実です!!
ということで、次は具体的な盗難対策、『ロック』についてまとめました!
[盗難対策]厨房・珍走団~プロ窃盗団まで!対策別・予算別おすすめロック集![原付・バイク]
参考サイト
※2 JAMA「二輪車販売台数(国内末端販売店向け出荷台数)」
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