先日新聞を見てみると、『高校生が全国で始めて労働組合を結成した。』という記事がありました。
東京新聞:高校生が労組結成 ブラックバイトに対抗 「助ける側に」「声上げる」:社会(TOKYO Web)
「ブラックバイトに対抗したい。」ということで結成したそうなのですが、正直自分は労働組合というものがどういうものなのか正直分かっていません。労働していないニートですし。 そんなわけで将来役に立つかは不明ですが、労働組合について簡単にまとめてみました。
photo credit: Cultivating sugar cane on the Virgin Islands Company land, vicinity of Bethlehem, St. Croix (LOC) via photopin (license)
労働組合とは?
労働組合の概要
労働組合(ろうどうくみあい、英語:trade union、labour union)とは、労働者の連帯組織であり、誠実な契約交渉の維持・賃上げ・雇用人数の増加・労働環境の向上などの共通目標達成を目的とする集団である。その最も一般的な目的は、「組合員の雇用を維持し改善すること」である[1]。引用元:労働組合-Wikipedia
要するに主に労働条件を良くしていこうとする組合のことですね。ちなみにここでいう労働者とは、「職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活するもの」(労働組合法3条、以下労組法)をいいます。
課長などの管理職もこの法の範囲内です。しかし、実質的に人事や労務管理を行うものは使用者の利益代表者と呼ばれ、利益代表者を労働組合にいれると労組法の特別保護が受けられなくなる可能性があるそうです。こういった理由で、多くの労働組合は課長以上の管理職を非組合員とするようです。
つまり労働者というのは平社員やバイト・パートなどの集まりということになります。また、労働組合は労働者が「主体となって組織した団体」ならば、会社と雇用関係にない者でも組合員にできるそうです。
なぜ組合を作るのか
こればっかりはニートでも実感できますが、会社(使用者)と労働者一人では基本的に会社のほうが立場が上ですよね。そのため、労働者で団体を組んで組合を作り、立場を対等に持ってきた上で上記の条件改善を求めていく。ということが理由のようです。
ちなみに日本プロ野球選手会も労働組合らしいです。びっくり。
組合は法律で認められているのか
労働者には憲法28条により、以下の労働基本権が保障されています。
- 団結権 … 労働組合をつくる権利
- 団体交渉権 … 使用者との交渉の結果、約束を交わすことができる権利
- 団体行動権(争議権) … 条件改善のためにストライキ(仕事をせずに団体で抗議する)をする権利
つまり憲法で認められているものであるということです。実に心強い。
組合員は不利益な扱いを受けないのか
労働組合法により、使用者が労働組合及び労働組合員に対して不利益な扱いをすることは禁止されています。組合に入っているからと昇進させなかったり、やめさせたりといったことはできないということです。
労働組合にはどんなものがあるのか
労働組合は主に
- 企業別の組合
- 地域別の組合
- 産業別の組合
などがあるようです。実際には様々な状況の人に向けた労働組合があるようで、記事の最初に挙げた高校生の労働組合などは「首都圏でブラックバイトをしている高校生向けの労働組合」ということになるでしょう。
ちなみに「ブラックバイトユニオン」という「ブラックバイトをしている学生向けの労働組合」もあるようです。
まとめ
これらから、労働組合とは「平社員やバイト・パートの人が集まり使用者に対して労働条件改善を要求していく、憲法により保障された団体」ということになりそうです。
労働組合の意味を知った上で改めて考えてみると、最初に紹介した記事のような労働組合設立のニュースが、学生にブラックバイトを強いている使用者などへのけん制になれば良いなと思わずにはいられません。
個人的には、ブラック研究室に対しても労働組合のような組織ができることを渇望します!使用者(教授・準教授)に労働者(学生)は逆らえませんからね!!
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