[ヘンな論文]こんな論文があったのか…[サンキュータツオ]

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ヘンな論文

論文とは、世間一般には程遠いお堅いものである。と、多くの皆さんは認識されていると思います。私自身も、大学の研究室に配属されてから始めて論文を読みました。研究室に配属されなかったらまず読む機会はなかっただろうし、読む気もありませんでした。ですが、この本を読み終わってみるとそんな認識が一変するのではないかと思います。

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著者について

著者はオフィス北野所属の芸人。サンキュータツオさん(以下敬称略)。お笑いコンビ「米粒写経」として活躍する一方、一橋大学非常勤講師も勤めている方。早稲田大学に14年在籍されており(学部5年、修士3年、博士6年)、自分の研究に関する論文を探しているうちに、ヘンな論文を発見。次第にその魅力にとらわれて、ヘンな論文収集を趣味とされるようになったようです。

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内容について

こういっては失礼かもしれませんが、まず表紙の挿絵からして「ヘン」です。とても論文という言葉とは結び付けられない絵の数々が並んでいます。内容がまったく想像できません。

目次をながめてみると、こんな論文があるのか!?という驚きの論文のオンパレード。実際に読んでみても全てがとても興味深くおもしろいんですが、個人的なお気に入りを抜粋してみます。

  • 「あくび」はなぜうつる?
  • 「コーヒーカップ」の音の科学
  • 「おっぱいの揺れ」とブラのずれ
  • 「湯たんぽ」異聞

あくびがうつるのは経験的に誰でもご存知でしょうが、なぜなのか?を追求するところがおもしろい。追求の仕方も半端じゃないです。でもまだ完璧には解明されていないようで。もういいんじゃないかな。コーヒーカップの音の科学については、日常のふとしたことから感じる疑問を追及しており、小中学生の自由研究はこのような流れが理想なんだろうなと感じました。おっぱいの揺れに関してはもはや何も言うことはないでしょう。湯たんぽなんかはもう個人の趣味をどこまでも追及し続けた結果でした。人間の業の深さを感じさせてくれます。

また、全体を見てみると、初めて論文にふれるという人に細かく配慮がしてありました。論文の堅苦しい言い方ではなく、むしろくだけた平易な言葉で記述してあるため非常に読みやすかったです。また、コラムやあとがきでは論文とはどんなものか?研究とはどんなものか?ということにも触れてあり、論文や研究の本当に基礎的な知識もばっちり分かりました。本文中でも各所に著者の研究や論文、学問に対する考え方などもちりばめてあり、本当に至れり尽くせりの内容です。

あとがきの最後には、湯たんぽの論文を書いた先生の研究成果が無断引用されたり・コピペされたりという話がありました。コピペ論文にいたっては引用文献でも参考文献でも先生の研究成果には触れられていないという始末。長年にわたる研究の結果をかすめとり、我が物顔で発表する。まともな研究は卒業研究ぐらいしかしていない私でも、研究や論文作成にかかる労力は分かります。そこを分かっていれば無断引用やコピペをしようなんて考えにはならないとは思うんですけどね…。論文とは比べ物になりませんが、情報をアウトプットすると言う点で同じであるブログを運営している私にも人事だとは思えませんでした。引用や参考はしっかり明記しないといかんですね。

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まとめ

まさに論文や研究に関する認識が一変。論文や研究をより身近にやわらかく(?)感じることができました。院を退学してから「研究アレルギー」のような状態になっていたのですが、そんな私でも楽しんで読み進めることができる一冊でした。もちろん論文や研究にまったく触れたことの無い方にもオススメの一冊です。

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