以前書いた『バイクツーリング中に格安で簡単に会話をする方法!!』の記事。おかげさまでたくさんの方に読んでいただけているようです。
ということは、僕と同じように「あまりお金をかけずにツーリング中に会話したい!」って方がたくさんいらっしゃるんだと思います。インカム高いですもんね。
その格安での会話の際に必要なブルートゥースヘッドセット(以下BTヘッドセット)の一例として、記事中では『M70』を挙げていましたが、実際はこれ以外にも利用できるヘッドセットはたくさんあります。
ということで、今回は『バイク走行中の通話に使えるBTヘッドセットとは?」について考えた後、使えそうなヘッドセットをまとめてみました!
バイク走行中の通話に使えるBTヘッドセットとは?
最初に、「絶対にこれははずせない!」という必要最低限な機能を考えてみます。
まずは、『聞く』だけでなく、『話す』こともできること。これができれば、走行中に音楽を聞いたりするだけでなく、会話をすることも可能になります。
次に、ヘルメットを被る時に外れたり、圧迫されて痛くならないこと。これは、BTヘッドセットのサイズ(寸法)が小さければ良いということになります。
最後に、連続通話時間。モバイルバッテリーなどで休憩時間に充電することもできるので、連続通話が6時間もてばOKではないでしょうか。
とりあえず、最低限欲しい機能としては以上のものになりそうです。加えて、防水・軽いなどの機能もあればなお良しってところでしょうか。
では、それらの機能について詳しくみていきましょう。
『聞く』だけ?『話す』こともできる?まずはプロファイルを確認!
『聞く』だけなのか、『話す』こともできるのか。判断するにはBTヘッドセットのプロファイルを確認しましょう。
プロファイルというのは、『そのブルートゥースヘッドセットで何ができるのか?』を示した規格です。これによって、『聞く』、『話す』の機能があるかだけでなく、様々なことが分かります。
一例として、『M70』のプロファイルを見てみます。
対応プロファイル
- ヘッドセットプロファイル(HSP)1.2、
- ハンズフリープロファイル(HFP)1.6、
- A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)※2、
- AVRCP(Audio Video Remote Control Profile)※再生/停止のみ対応
『M70』には
- 『ヘッドセットプロファイル(HSP)』
- 『ハンズフリープロファイル(HFP)』
- 『A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)』
- 『AVRCP(Audio Video Remote Control Profile)』
があるようです。一つ一つを簡単に説明します。
ヘッドセットプロファイル(HSP)
携帯とヘッドセットを接続し、音声入出力(モノラル)ができるプロファイル。
ハンズフリープロファイル(HFP)
HSPに加え、電話の発着信、通話ができるプロファイル。
A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)
ステレオ音質のデータを聞くことができるプロファイル。
AVRCP(Audio Video Remote Control Profile)
オーディオ等をリモート操作(再生・スキップ・早送りなど)できるプロファイル。
これらをまとめると、M70は『ステレオ音質のデータが聞けて、音声の入出力ができて、電話の発着信・通話、オーディオ操作ができる』ということになります。色々な機能がありますね。
なお、バイクで利用することに限れば『HFP』と『HSP』どちらかがあれば『聞く・話す』ことができるので充分です!
具体的なサイズ(寸法)はどのくらい?
バイクで利用する場合にはとても重要になってきます。
というのも、サイズが大きすぎる場合、ヘルメットを被るときに外れたり、被れたとしてもヘルメットにBTヘッドセットが圧迫されて耳が痛い、なんてことになるからです。
そうならない為にも、具体的にはどのくらいのサイズがいいかと考えました。実際に使用できている『M70』のサイズを参考に具体的に考えてみます。
『M70』の寸法(幅×高さ×奥行き、突起部含まず)は、下の画像の通り『17×48×9(mm)』となっています。
これが一応の目安ですね。少し大きくして『20×50×10(mm)』以内でも大丈夫でしょう。
連続通話時間(ブルートゥースバージョン)
連続通話時間は基本的に商品の説明欄を見ればOKなんですが、少し注意が必要です。
というのも、この連続通話時間が大幅に減少する場合があるんです。簡単に説明します。
まず、ブルートゥース(以下BT)にはバージョン(以下ver.)があり、大まかに言うとver.が上がるごとに省電力性能が高くなっていきます。
また、バージョンには下位互換性があり、仮に携帯電話がver.3.0でBTヘッドセットがver.4.0だった場合、携帯電話側のver.3.0に合わせて接続されます(逆の場合も同じ)。
つまり、携帯電話がver.3.0、BTヘッドセットがver.4.0だった場合、省電力性能はver.3.0の性能になります。
よって、省電力性能がヘッドセット(ver.4.0)で想定している時よりも低くなるため、消費電力が増加。結果的に連続通話時間が落ちるということです。
最近の携帯電話などはver.4.0のものが多いのであまり考えなくても良いですが、古い機器と接続する場合には気をつけておきましょう。
防水性・軽いなどその他機能
防水であれば雨をほぼ気にしなくていいですし、軽ければつけている間の耳への負担が少なくなります。
といっても、フルフェイスやジェットヘルメットであれば雨が降ってもほぼ関係ないです。また、片耳に付けるタイプのBTヘッドセットはそのほとんどが耳につけても違和感のない重さで統一されていますので、バイク利用の際には防水・軽さ、その他機能はあまり気にする必要はないでしょう。
ちなみに、今がんがん使っている『M70』は、非防水ですがフルフェイスを被っているので雨の中での利用もOK。また、重量は8gで、これは着けていることを感じさせないくらいの重さと捉えてもらえば良いです。
更に、値段が高いものになってくると、最低限の性能に加え、防水・撥水になったり、音質(マイク・スピーカー共に)が良くなったり、言葉(「Answer」、「Ignore」など)で電話にでることができたりするようになります。そこまで必要かどうかは人それぞれですね。
ここまでの簡単なまとめ
- ヘッドセットのプロファイルに『HSP』『HFP』があれば通話はできる
- サイズは『20×50×10(mm)』以内なら大丈夫
- スマホが古い場合は、連続通話時間が短くなることがある
- 防水性は半ヘルの場合はきにする必要あり?
おすすめヘッドセット
ということで、上記の最低限必要な機能をおさえている、おすすめできるヘッドセットをまとめてみました。
- 『対応プロファイル』
- 『サイズ・寸法(幅×高さ×奥行き、突起部含まず)』
- 『連続通話時間(BTver.)』
- 『重量』
- 『参考価格(Amazon、2016/06/24現在)』
を示した後に、それぞれの特徴などについてコメントしています。
また、最後には紹介した商品の機能を比較した表を載せています。
Plantronics 『M70(M90)』
- 対応プロファイル:A2DP,HFP(v1.6),HSP(v1.2),AVRCP(再生・停止・スキップ)
- サイズ:17×48×9(mm)
- 連続通話時間:11時間(ver.3.0)
- 重量:8g
- 参考価格:2,827円
初めて買ったBTヘッドセット。最初の1台で満足してしまったので、他の商品に浮気することなくそのまま使い続けている。なんやかんやで現在累計3台購入。
日常生活からバイク・車の走行中まで、通話・音楽などなんでもOK。使用していても欠点という欠点は見当たらない。ただし、非防水なので洗濯機で洗うのだけは勘弁(もちろん他のヘッドセットもですがw)。
詳しくはレビューを書いているのでそちらをどうぞ。
デザインがメタリックになっている『M90』もあります。どちらがいいかはお好みで。
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Plantronics 『M165』
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- 対応プロファイル:A2DP,HFP(v1.6),HSP(v1.2)
- サイズ:約14×50×10(mm)
- 連続通話時間:7時間(ver.3.0)
- 重量:約7g
- 参考価格:8,977円
『Answer(応答)』、『Ignore(拒否)』と声に出すことで、通話に応答するか・拒否するかが選択でき、ヘルメットを被っているときは非常にありがたい機能。ただし、これは電話に対してのみで、LINEやSkypeなどのアプリに対しては使えない。
その他の機能はM70とほぼ同じ(音楽の再生・停止操作はできない)。ただし、既に生産終了しているためか在庫が少なく、価格もお高め。
Plantronics 『Explorer 500』
- 対応プロファイル:A2DP,HFP(v1.6),HSP(v1.2),AVRCP(再生・停止・スキップ),SSP
- サイズ:不明(ただ、M165と同程度と予測。少なくとも厚みは約10mm)
- 連続通話時間:7時間(ver.4.1)
- 重量:約7.5g
- 参考価格:4,790円
上記の『M165』の後継機。ノイズキャンセリング機能や、デュアルマイク、デジタル信号処理(DSP)が搭載されているので音質に関してM70よりは上。マイクミュート可能。
ただし、『Answer、Ignore』の機能はなくなった様子。要するに、『M70』を高音質・高機能化したものと考えればいいかも。
充電用のUSBケーブルをストラップとして利用することができるため、「持ち運びが楽」、「紛失しにくい」などの利点がある。
JABRA 『JABRA Mini』
- 対応プロファイル:A2DP(v1.2),HFP(v1.6),HSP(v1.2)
- サイズ:14.7×47.1×9.9(mm)
- 連続通話時間:9時間(ver.4.0)
- 重量:8.7g
- 参考価格:2,415円
今回おすすめするBTヘッドセットの中では一番価格が安い。マイクミュートも可。
ちなみに、プロファイルを見ても分かるとおり、音楽の再生・停止機能はなし。端末側で操作する必要がある。
[2018/10/18追記]実際にバイクで使用してみたところ、充分使えました。[ここまで]JABRA 『JABRA BOOST』
- 対応プロファイル:A2DP(v1.2),HFP(v1.6),HSP(v1.2)
- サイズ:14.5×49.3×9.5(mm)
- 連続通話時間:9時間(ver.4.0)
- 重量:8.5g
- 参考価格:2985円
上の『JABRA Mini』とデザインが違うのみで、基本的な性能はあまり変わらない。
違いといえば、「SiriやGoogleNowをBTヘッドセット側で起動し、操作できるかどうか。」ここで500円の価格差がでていると考えてもよさそう。
機能比較表
これらの商品の機能を表にまとめましたので、参考にどうぞ。
ちなみに、全ての商品において充電時間は2時間です。
まとめ
- バイク乗車中に使うなら、『「聞く・話す」ことができる』、『サイズが小さい』、『連続通話時間が長い』の3つが最低条件。
- プロファイルとは『何ができるか?』を示した規格。『HFP』or『HSP』があれば『聞く・話す』ことができる。
- サイズ(幅×高さ×奥行き、突起部含まず)は『20×50×10(mm)』以内ならばOK。
- 連続通話時間は6時間あればOK。BTver.の違いによる連続通話時間の減少に注意。
- これら最低限の機能を抑えているおすすめ商品として、『M70(M90)』、『M165』、『Explore 500』、『JABRA Mini』、『JABRA BOOST』がある。
今回紹介している商品であれば、どの商品でもバイク走行中の会話はきちんとこなしてくれると思います。
そこに『Siriを起動できるか』、『マイクミュートできるか』、『音声で通話応答・拒否できるか』、『音楽の再生・停止などできるか』などの機能差、バッテリー持ちの違いが加わります。その機能差で、価格にも差がでてくる・・・という感じですね。
デザインも違いますし、耳へのフィット感も変わってくるようなので、「買ってみたけどなにかしっくりこない・・・」というときには表の中の別商品を買ってみましょう。
今回様々なBTヘッドセットを比較してみて、改めて「『M70(M90)』はコストパフォーマンス・汎用性が高い商品だな。」と感じました。
まさに、色々そつなくこなせる万能選手といったところ。
僕自身も満足に使えていることですし、特に理由がない場合には『M70(M90)』を購入することをおすすめします!
ちなみに、これらのヘッドセットを用いたツーリング時の具体的な通話方法については『バイクツーリング中に格安で簡単に会話をする方法!!』に書いていますので、参考にどうぞ!
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コメント
自分の場合(ヘルメットジャストサイズ)、ヘルメットにBluetoothヘッドセットが圧迫されて痛いってことはないですね。
ただ、そもそもBluetoothヘッドセットを長時間つかていると耳が痛くなることはあるので、痛みを確実に避けたいならインカムがおすすめです。
ヘルメットのしたから付けて痛くないんですか?
お役にたててなによりです!
Kabutoのシステムヘルメット『KAZAMI』でもいけますよ!
もともとKamuiヘルメットを常用していました。
こちらの記事を拝見しM70を購入しました。
ヘルメットと一緒に使っていても違和感なく被れるので気に入りました。
ありがとうございました。
いえいえ、こちらとしては読者の動線が分かってリンク貼り付け等の編集ができるので助かります。
また疑問等あれば遠慮なくコメントされてください!
すみません。別の記事を書かれていたので、そちらを読んできます。
バイク用インカムの代わりに、Bluetoothヘッドセットを使うとの事ですが、
ヘッドセットは電話とペアリングされ、電話をかけて通話しているという事でしょうか?
若しくは、ヘッドセット2台有れば、電話を介さず、ヘッドセット同士で通話できるという意味でしょうか?
もし、電話を介して通話されているのであれば、走行中に発信する、若しくはかかってきた電話に出る際はどの様な方法でしょうか?ヘルメットの外から操作できる様に何らかの加工をされているのでしょうか?
私もオートバイに乗りますので、参考までにお教え頂けたら幸いです。
初めまして。コメントありがとうございます。
まず、僕がヘッドセットを使用する際には、ヘルメットはフルフェイス(KAMUI)を使用しています。ですので、ジェットヘルメット使用時については想像でしかお答えできないです。すいません。
本題の「ジェットヘルメット使用時にマイクが声を拾うかどうか」については、声を拾うことはできると思います。ただし、フルフェイスでもシールドを開けた状態ではそこそこの風切り音がするので、ジェットヘルメットだとその風切り音が更にひどくなるかもしれません。そのため、「声は拾えているけど風切り音で聞こえない」ような状態になる可能性があります。
ですので、風切り音対策さえできれば声だけをしっかり拾ってくれるのではないかと思います。
もし試されたら、その結果をコメントやメールで教えていただけると他の方の助けにもなりますので、その時はよろしくお願いします!
初めまして。
インカムは高いのでスマホが使えないかなと検索してここへたどり着きました。
ブログに書いてあるヘッドセットですが、どのようなタイプのヘルメットで使用されていますでしょうか??
私はジェットヘルメットなのですがよくあるバイク用ヘッドセットだと、マイクがクチの前に出てきていて見た目が好きじゃないので、このブログのようなヘッドセットがいいなと思っていて、
マイクが声を拾うのかどうかきになりまして・・・